「ソードアート・オンライン プロショップ 星なき夜のアリア」を観た。
新キャラって言っても過去に戻って別視点でと言う物語の性質上、その人と(生死は兎も角)別れるんでしょ?と思ってたので、そこをどうするのかなって思ってた(原作未読)。
作画的にTVシリーズのアインクラッド編と同じだったり違ったりする部分が入り混じってるけど、第1層ボス戦前夜にキリトとアスナが一緒にパンを食べるシーン。此処はアスナ視点だとそうなるよな、と納得しつつ笑うところだと思う。
SAO並みにと言うかそれ以上に推しておきたいのが「アイの歌声を聴かせて」。一言で言うなら青春ミュージカルか。
日本人はミュージカルが苦手な人が多いと言う。確かに自分は「観たい」と積極的に選ぶことはないし、映画館で観るのは殆どアニメ、時々洋画と言う程度だがそれでも「グレイテスト・ショーマン」は10回ほど観ている*1。それでいて同じチームの「ラ・ラ・ランド」は見た事が無かったりしているので、要は自分はあまり抵抗が無いのだと自覚をしている。
苦手な人の言い分として良く聞かれるのが「突然歌うのに戸惑う」とか「歌う必要、ある?」って言う話。
んじゃ、突然歌う理由がありゃ良いんだな?AIって設定ならどーだ?と言うのは一つの回答なんだと思う。人間ならいきなり歌いだしたらアタマおかしいだろってなるけど、AIだと言われたら「理屈は分かんないけどポンコツだからコレだと判断したんだな」と思えてしまう。ポンコツはそれだけで愛せる。
あの辺とかがどーなんだとケチをつける向きもあるようだが、そう言うのも含めて笑って楽しむ方が良い。別作品の例で言うと「貴方には12人の妹がいます」と言われて「わかった(笑)」って受け入れられる人なら間違いなく楽しめる。作中での例を交えた言い方だと「イベントをする訳でもなくビルをライトアップするだけのはずの照明に何で色が付いてるのかと怒るんじゃなくて笑って許せる人」かな。或いは「なんでヒト型ロボットが菅笠被って田植えやってんだ」って笑えるとか。
AIの使われ方にグラデーションがあるのも良かった。
主人公サトミの自宅はちょっと年季が入った感じの木造住宅だが、声で指示をするとカーテンが開き、炊飯器と会話して炊き上がりを指定したりと、家の中にAIが入っている描写がある一方、街を走るバスは普通の路線バスの運転席にドラム缶みたいなロボットが鎮座している。それでいてヒト型ロボットが田植えやってるからね。なんで田植え機が自走してるとかじゃなかったんだろう。汎用性の証明かな。柔道部のサンダー君のパートナーもヒト型ロボットが務めているし。
何と言ってもシオンを演じる土屋太鳳さんの歌声が良い。
予告編でも使っている「ユー・ニード・ア・フレンド 〜あなたには友達が要る〜」が良いと思えるなら大丈夫。個人的には直前のシーンのやり取りも含めて3曲目の「Lead Your Partner」が気に入った。ぶとう会ってか。そう言えば自分もそうだけどサンダー君の今後が気になる人が多数いる模様。
終盤の展開にラストが予想出来てしまったけど、まぁ王道の展開ってやつですよ。そう言うのを全部ひっくるめて楽しくて愛せる作品でした。ヘビロテする作品じゃないが、もう2~3回は観ておきたい。時間があれば良いけど、難しいかなぁ。
*1:正確には2ケタに達してなかったかもしれぬ