思い出話

声優のアイドル化なんてのが言われたのは随分前*1だが、いまのCESAの前身、CSG*2の発表会が晴海の国際展示場で行われてた頃。多分95年の春か夏辺り*3。よく晴れた日だったことは覚えてる。
発表になった頃から、名前だけ気になってたゲームがあった。展示されてるとも知らず、足を運んだ。
何か、数台並んだPSの前に、長蛇というほどでもないがそれなりの長さの列があった。気になっていたそれが、そこにあった。

脇に居たスタッフからヘッドホンを渡され、簡単に進め方の説明があった。教えられたとおりの操作は出来るのに、それが反応として返ってきてるのか、よく分からない。不思議な感じがした。
ソレを除けば、何と言うか「何もしないに等しい感じ」があった。終了。
列を離れると、別のスタッフから声をかけられ、アンケートを求められた。

彼女の話の中で出てきた単語にチェックをしてください

こんな事になると思ってなかったから、思いっきり聞き流してほんの数秒で忘れてしまった単語も有ったろうが、チェックを付けられたのは半分にも満たなかった。愕然とした。
愕然としたのはチェックが付けられなかった事ではなかった。「絶対に聞いていない」と思える単語が幾つもあったことだ。
更に驚いた事に、同じゲームをプレイした連れも同様の反応を示した。自分が聞いてない単語を、彼は聞いていた。自分がチェックをした単語のいくつかを、彼は聞いていなかった。

なるほど、これはそう言うゲームなのか。この瞬間に分かったような気がした。

ノエル (初回限定版シングルCD付)

ノエル (初回限定版シングルCD付)

面白いというには、かなり勇気が要るゲームだと、今でも思う。そう言う表現が確実に誤解を生む。むしろ「興味深い」と評する方が妥当だと思う。


ただそれでも評判が悪かったわけではないようで、続編が出る事になった。
前作同様、広告はイメージ先行というかイメージだけで具体的な内容は一切触れない。そう言う流れの中で動いてるところを初めて見たのは、毎月SCEが開催している試遊会での事だった。

NOёL~La neige~(通常版)

NOёL~La neige~(通常版)

モニタの向こうには新たな顔ぶれ。プレイさせてもらいながら営業の方*4と会話。

新人?
えぇ。実は彼女、高校生なんです。まだ。
えっ!ってことは女子高生が女子高生の役を(笑)!?
はい。まだ現役の女子高生です。
相当に期待してるって事ですか?こう言う起用の仕方をするって事は。
えぇ、今年の一押しです。

その証…って言って良いんだろうなぁ。これ。

NOeL La neige 門倉千紗都ミニアルバムdepart Chisato×Nana

NOeL La neige 門倉千紗都ミニアルバムdepart Chisato×Nana

この辺の会話が、水樹奈々という声優のと出会い。
あとの事は多分キーワードで辿ってきた人のほうが詳しいと思います。

そう言えば、

serial experiments lain

serial experiments lain

と阿倍吉俊さんの繋がりは、スタッフの知り合いに同人で絵を描いてるのがいると言う話からだったと聞いた事があります(本当かどうかは知らない)。
こう言う話のお陰で「人材を発掘するのが巧いメーカー」という印象のあったパイオニアLDCですが、ゲーム事業からは撤退し社名変更。残念です。

*1:声優と呼ばれる人たちの仕事の内容が変わったのはたぶんバブル景気と時期的には重なってるんじゃないかと思う。ゲームと絡めるならやはりPCエンジンがCD-ROMを採用して、ギャルゲーという言葉が生まれた頃、と認識しているが、もう一つの柱であるアニメの方との関わりも考えるべきかもしれない。もっともその頃からアニメの方が疎くなってきているのでこの辺りは他に譲る。

*2:Consumer Software Group の略

*3:ちなみに東京ゲームショーは1996年から。つまり最後のTGS発表会だったと思う。

*4:前作をプレイしたTGSのイベントでアンケートを求めてきたスタッフはこのときの営業さんではないかと後になって気付いたが、結局確かめるには至らなかった