今月の映画

世間的には「シン・ウルトラマン」に大注目なんだろうが、「バブル」を観た。

 

予告編のパルクールと巨大な泡に包まれた東京のビジュアルだけで「一度は観る」と決め、それ以上の情報は積極的に取りに行かないでスクリーンに向かった*1ので、「あッそう言う話なんだ」と言う感じ。

虚淵氏の名前に一瞬重たい話になるかと思ったが、「楽園追放」のような作品だってあったし、そう言う重さはパルクールの雰囲気と合わない気がしたので、そっち方向は無いだろうと思う事にした。

なので、タイトルの「バブル」って物語の舞台を指していると思っていたのだけど、ヒロインであるウタの登場シーンで「泡から生まれたって事は最後は泡に?」と思ったし、ヒビキに触れて泡になる右手、人魚姫の絵本が出てきたことで多分そうなるだろうな、と更に確信を深めた。そう言う予想を裏切る展開があっても良いけど、軽い話になったかもしれない。それならあの終わりで良かったと思う。

 

主人公ヒビキの声を演じるのが志尊淳さんと言う(か「声優じゃない」)ことが不満と言う感想を見掛けたが、薬丸裕英さんが声優をやった時よりずっと馴染んでいた*2ぞ、と突然の流れ弾。

ヒロインのウタの方も、EDを担当したりりあ。さんの演技が棒、と言う評価を散見したが、ウタは周囲の会話などから言語を習得していくキャラなので、違和感が無い方が都合が良過ぎる気がする。EDもああ言う曲だから、同じ声でと言うのも合理的。他の人でも「アリ」だったかもしれないけど、この選択が「ナシ」とは思わなかった。

 

冒頭、ウタが見つめるヒビキの顔を見て「カバネリでやったメイクアップだコレ」からパルクールの映像を思い起こして「進撃の巨人」の荒木監督とようやく結びつく。


ヒビキが抱えるウタの体が泡になっていく時、その泡が令洋(チームが拠点にしてる船)の中で見た図鑑の生き物のカタチになってるのを見て「本物を目にしたらウタはどんな反応するんだろうなぁ…見て欲しかったなぁ…でもウタはこう言う存在だから、こうなるしか無かったんだろうなぁ」などと。

 


「結局あの泡って何だったの?」と言う疑問が残るが、先程言ったように作中には解は無い(ノベライズ版はその辺の設定も拾って書かれたそうだが)。Y!映画のレビューを見ると、単発の作品ってこともあるのか、その辺の説明とか「なぜ?」の答えが無いことを不満に感じてる印象。でも、ヒビキとウタの出会いと別れだけで物語としては十分のようにも思う。


なんと言うか、「答えを求め過ぎる」層には厳しかったのかな…と思うと、少し勿体無い感じがする。


あとね、これネトフリで先行配信してたけど、スマホタブレット如きの小っちゃい画面とショボい音響で見る作品じゃないと思う。映画館のスクリーンと音響で観るべき。スマホでダメだったけど、映画館で印象変わったと言う声も幾つか見てる。

ネトフリも出資してるので先行配信で回収したかったのだろうと思うけど、配信で見る人の環境までは気が回らなかったのだろう。配信で見る人の貧弱な環境に殺された作品になってしまったように思う。そう言う点でも勿体無い。



バブルの初回はイオンシネマで観た。

イオンシネマで観た回数が6回になって無料クーポンが確保できたので、「シン・ウルトラマン」を続けて。

見れば見たで面白がれるんだろうけど、庵野氏が思い入れあるだろう作品群に自分はほぼ全く思い入れが無い*3ので、作中に織り込んだネタは分からんだろうと思ってたが、その通りだった。どう展開するかと思いながら観ることは出来たけど、そこまでかなぁ。ちゃんと見てたのは「スーパー1」「BLACK/RX」な仮面ライダーも、この方向で行くなら観ないかもしれん。


*1:他の作品でも劇場オリジナルとかはだいたいそんな感じ

*2:劇場版「若おかみは小学生!」を観た時、キャスティングでほぼ唯一違和感を覚えたのがここ

*3:本放送を見てた記憶があるのは「ザ」「80」辺り、他作品の再放送は記憶がない