情報の過不足

いや、こう書いておいてなんだが、質の面では明らかに不足なんだよな。


口蹄疫の話。
取り上げるには今更だし*1、政府の対応に対する批判なんかも、漸く伝わってきた状況から判断すれば確かに批判の声が上がるのももっともだ、と言う気になった。
この政権が抱える様々な問題の根っこに「情報不足」と言う要素が色濃く見えるときがある。「情報収集=マスコミの報道に目を通すこと」と思えることすらある。
で、その政府の危機意識云々というところはこの政権の「残念な感じ」が今に始まったことでもないので*2言及しないけれども、自分が思ったことは記しておこうと言う気になったので少し書いておく。


マスコミのこの問題の初期の扱い方が適切であったかどうか、だ。
思い返すと、報道の内容は「口蹄疫が感染力の強い法定伝染病」で、「感染した家畜は殺処分することになってる」と言う事と「人間には感染しない*3」ことが繰り返されていた気がする。
この最後の「人間にとっては怖くないよ」と言う部分が、この病気に詳しくない人から関心を失う原因になっていたんじゃないだろうか。


この問題にあたった事の無い現政権にとっても。それが対応を遅らせた遠因に見えるのだ。


発生が確認されて1ヶ月ほどたって、いまだ収拾の見通しが立たない、という状況になって、やっと「このままだとどうなるか」と言う話をテレビで見るようになった。
要点は「子牛の死亡率が高い」「宮崎は子牛を国内各地に出荷してる」「移動制限と殺処分の結果、全国の産地で子牛が不足する」「いま出荷するはずの子牛が成牛になる2年後に牛肉が不足する可能性が高い」‥‥ざっとこんなところか。


今頃こんな事を書いてる自分が言えた話ではないんだけども、コレって「放置/悪化した場合に予見できる状況」なんだから、発生した時点できちんと報道するべき内容だったんじゃないだろうか。
「だから感染が拡大する前に一刻も早く封じ込めなければならないんです」という部分をすっ飛ばして「人間には害が無い」と言ってしまったのはマスコミの失敗だと言っておくべきじゃないかと思うのだ。
自分が感染しないのは安心材料だが、被害が広がったときを思えば油断できないはずなのだから。



あ。「過」の部分を書いてなかった。まぁ読めば分かるよね。「人間には感染しません」を言い過ぎた、と言うこと。

*1:もちろん問題は進行中だが

*2:しかし何事においても国民の期待に応えきれてない政権と言うのは‥‥

*3:厳密にはそうでもないらしい。無発症キャリアになるか、発症しても症状が軽くて処置が適切なら回復するそうだ