心構えと勘違い

「行政とはサービス業」であるって言葉を聴いたのはいつだったか。地方自治体も破産する可能性があるという、ソレまでは誰も考えなかったであろう自体が現実になってきて、財政運営とは経営であるっていう考え方が出てきた頃の事だったと思う。
普通に「行政サービス」って言い方もするし、インフラ整備・福祉・教育といった「商品」に対して住民が税金と言う対価を支払ってると考えれば、確かに行政はサービス業だと思う。
住んでる町の商品が気に入らなければ、他の町へ行けばいい。日本と言う住んでる国の商品が気に入らないから、大金を手にした日本人が海外へ居を移すようになってる。

商品の質を高める方法と言うか理念って実にシンプルで、結局のところ客に満足してもらう他無い。
以前、テレビで見たある旅館の女将は、従業員に対して「お客様の言う事には全て従いなさい」と指導しているそうだ。


文字通りに実行するのは簡単なことではないと思うけど、心構えとしては確かにその通り。
とは言え、これはサービス(商品)を提供する側が言うから正しいことなのであって、サービスを受ける(商品を買う)側が使ったら単なる「横暴」「理不尽」だよなぁ。
というのがその言葉を聴いた時の感想。全てって簡単に言ったって、限界ってモノがあるんだから。仏の顔もなんとやら。


通販なんて仕事をしてるとね、「物理的限界を無視した要求」をしてくる困ったお客さんがごく稀に来ちゃうんだよね。
「注文は受け付けてるけど何時入荷するか分かりませんよ」と表示して商品を「明日届けろ」みたいなのが。
それから、「楽天にあるお宅のホームページ見て電話してるんだけど」と電話しておきながら「パソコンよく分からんから電話で注文させてくれ」なんてのも増えたなぁ。パソコン分かんなかったらウチのページも分かんなかったと思うんだけど。偶然?
あ、コレは関係ないか。


ソレはさておき、なんで上の話をしたのかって言うと、「客の全ての要求に従うのはアタリマエ」だと思ってる、困った大人が増えているんじゃないかって事。同時に、「対価」つまり商品に対して払う金額以上のことは期待するべきではないだろうと思うんだが、その辺ってこう言う人たちには欠落してる気がしてる。
1泊5000円のホテルに、1泊10万とかもう一桁上のホテルと同じサービスを要求するってありえないでしょ。1万円のトコと同じサービスを、って言ってもやはり出来ないと思う。
でも、「カネを払ってる客」であることは変わりなくて、「金を払ってるんだから」と言う理由で同じサービスを要求してるとしたら、ソレはやはり客の方がおかしい。


企業努力*1のお陰で「安かろう悪かろう」は全てに当てはまるわけではないけれど、要求がある(サービスを受ける)ならそれに見合う対価を払うのがスジ。

この方たちに問いたい。その要求に見合う対価を払っているのか、と。

「今すぐクラス移して」…教師に無理難題、理不尽な親急増


 「あの子の親と仲が悪いから、今すぐうちの子を別のクラスに移して」「うちの子がけがをして学校を休む間、けがをさせた子も休ませろ」…。保護者が教師に無理難題を言うケースが各地で急増している。教師が頭を悩ますこうした「理不尽な親たち」について、大阪大の小野田正利教授(人間科学、教育制度学)は、文部科学省の科学研究補助金を受けて教育関係者や弁護士、精神科医らによる「学校保護者関係研究会」を発足させ、原因究明と対策に乗り出した。(池田証志)
 「基本料金を日割りで払え」。持ち込み禁止の携帯電話を生徒から取り上げた中学教師は、保護者にこう言われ、言葉が見つからなかった。

 ある幼稚園では、おもちゃを取り合う園児を見た親が「取り合うようなおもちゃを置かないでほしい」と申し入れた。小学校の1学年全クラスの担任配置表を独自に作成し、「この通りでなければ子供を学校に行かせない」と要求した保護者もいる。

 小野田教授のもとには、信じがたい親たちの実態が全国の教育現場から続々と集まっている。

同時に思ったのは私学じゃこんな話出てこないのかな?もっと有りそうなんだけど。

*1:または従業員の苦労と我慢