マリオはなぜ右を向いたか

要するに横スクロールゲームにおいて、プレイヤーが右向きである(ことが多い)理由についての考察。

ゲームの右と左 マリオはなぜ右を向いているのか

物語は舞台の上手(かみて)から下手(しもて)、つまり右から左に進むのが洋の東西を問わず一般的。映画などでも、主人公は上手の右、敵役は左にいる。主人公は右から入場し左へと退場していく。つまり、物語は「←」と右から左へ進行する。縦書き右綴じな日本の漫画は「←」で右から左に物語が進むが、横書き左綴じの西洋の漫画は「→」と左から右に進む。日本の漫画は左右が映像のロジックと一致しており大変読み易いと言える。

しかし、ゲームは「→」と左から右へ進行する。スーパーマリオブラザーズを始めとする横スクロールアクションやグラデュウスなどの横スクロールシューティングにおいて自機は右を向き、「→」と左から右へ進む。格闘ゲームなども1Pは左側で必殺技も右に出る(キャラ右向き時)。映像のロジックで考えるとゲームの進行方向は左右が逆になっている。これは何に起因するのだろう。

ゲームの右と左 マリオはなぜ右を向いているのか - 最終防衛ライン2

引き合いに出したネタの幅はまぁ良しとして、それでもまだ「マリオが右を向いた」理由、と言うかTVゲームで右向きが定着した理由の根拠の部分は材料不足な感じが。


で、読み返してみて一番違和感があったのがココ。太字はこちらで付けた。

ド畜生:掲示板 において島国さんがゲームの左右について以下のように語っている。

最初期のアーケードゲームが、中央にレバー、左右にボタンがあり、どっちのボタンも同じ機能という、両利き対応でしたが、次第に重要なショットボタンを右につけた、右利き用のレイアウトが主になっていきました
ボタンが右側にあるという事は、飛び道具やパンチは右に進むべき」なので、そこから右向きスクロールゲームが定番になったんじゃないかと。

ド畜生:掲示板 の投稿者:島国@ぽっくり 投稿日:2008年 3月28日(金)01時35分15秒

任意スクロールのディフェンダーにコントローラーに左右があったかどうかはわからない。しかし、ゲームのインターフェースは左に方向ボタン、右にアクションボタンという配置が一般的になっていった。これは、右利きが多いからだろう。右にアクションボタンがあるのだから、パンチや弾などの攻撃は「→」と右から左へ進むべきであり、すると自機は右向きで、その結果スクロールも右向きになったという考察。つまり、ゲームの進行方向が「→」と右から左なのはインターフェースが決定付けたと。スカイキッドなる左スクロールの異色のゲームも生まれているが主流とはなっていないのはインターフェースと合致しなかったからか。

インターフェースがスクロール方向を決定付けたと言う点には反論しないんだけど、右向きに進むのを決定付けたのはボタンではなくてレバーの方じゃないかと思う。
レバーを左手で操作するとして(つまりこの話は利き腕のある人間の多くが右利きであると言う前提に成り立ってる)、左右どちらに倒すのが動作としてやり易いかと言うと、多くの場合「右」と言うと思う。出典は忘れたが、人間の腕と言うのは体の中心に向かう動作の方が動かしやすいんだそうだ。格闘技を見ればよく分かると思うけど、パンチは体の内側に向かうほうが外に向けるより強く撃てる。

だから、ボタンが右にあることが右向きの根拠なのではなくて、

重要なボタンを右に → 結果レバーが左に → レバーの倒しやすい方向を前方に → 右向き

と言う図式が定着したんじゃないかと思う次第。


果たしてこう言う見解が的を得ているかは知ったことではないが、「マリオが右を向いている理由」をあのまとめから直接導くにはちょっと飛躍があるように思われ。