リアル・タイム・マシーン展追記

ご本人に話を伺ってみようかとも思ったのですが、他の訪問者の方に説明されていたりアレに手がかかってお忙しいようでしたので、会話を立ち聞きしながら愉しませて頂きました>id:dotimpact
結果的に挨拶もせずに会場を後にしてしまって、ちょっと失礼なことをしてしまいました。申し訳ありません。

で、会場を後にして思ったことのメモ。

  1. Real-Time-Machine for TVgame
    • 光の速さ=電気信号の速さが有限なら、似たような理屈で肉体の反応速度にも限界があるけど、普段の生活ではその限界の速度を求められることはないし、意識しません。が、ココでは遅延に「アクションゲームが求めるギリギリの感覚」は容易く破壊され、コンマ数秒後の世界を予測してのボタン操作が要求されます。考えようによってはゲームとして破綻していると言えなくもないかも。
    • スタンドアローンなゲームでは遅延という事象は(認知できるレベルでは)発生しない、と言うか発生しないものとして設計してされています。それを意図的に起こすことで生まれる違和感はとにかく強烈な体験。6台のモニターのうち、一番遅く反応するモニターにコントローラーが接続されていることでその印象はより強められていると思う。
    • つ〜か、アレだけの遅延を乗り越えて1-1をクリアできる人が会期中に現れるのかが心配。
    • 似たような経験が過去のゲームにないか考えてみましたが、多分「エクセリオンジャレコ/1984)」が一番近いか。もっとも、あれは慣性が付いていて素早い機動は出来ないがコントローラーそのものには(ほぼ)リアルタイムに反応するわけだから似ていないとも言えます。
  2. Real-Time-Machine for Arcade
    • リセットを掛けて暫く眺めていたら、デモ画面の動作タイミングが既に微妙にずれていることに気付いた。原因はハード側かと思ったが、とにかくそのお陰で奇妙な体験ができました。
    • 他のプレイヤーの様子を見て思ったが左右の画面を同時に見ながらのプレイというのはやはり慣れないと相当に難しい。別々のタイミングでも良いから、アレでアンドアジェネシスを破壊できたら神。というか変人。
    • 左右の画面に使用している液晶パネルの視野角が違っていたのはちょっと残念。1枚のパネルに両方の画面を表示するのが理想なのでしょうが、そんな筐体をこの展示のためだけに作るというのは無理な話。
  3. PONGed
    • 上2つは目の前の機械の中で生まれる遅延なのに対し、こちらはネットワークの遅延を実感。あぁ、やっぱり物理的な距離って壁になるんだなぁ。
    • そんなことを思いながら飛び交うボールを見て、「これがLANで届いたボール、その後が国内、最後はアメリカのサーバまで行ってきたボールかぁ(笑)」納税者番号がないとオンラインで手続きできなかったので使用を断念したというブラジルのサーバまで届いたボールがどのくらい遅れてくるのか見てみたかったです。
    • ゲームで使うことは多分出来ませんが、映像で実感できる遅延がNHKの地上波とBS。静止衛星の高度は3万6千Kmなので、その往復だけで確か約1/4秒程度の遅延が発生します。実際には信号の変換処理が入るのでさらに遅れていて、並べてみると面白いです。

ドリームキャストが発売される頃だったか、「ダイヤルアップでオンライン対戦なんてできるのか」って話をどこかで見た記憶があります*1。その時は「ゲームではコントローラーの情報さえ届けばそれに対する反応は本体で処理して結果を相手に送れば良い。ゲーム画面そのものを送る必要はないから、ナローバンドでも問題ない」と言う趣旨の発言をしていましたが、あれも今思えば海外との接続が視野になかったからなのかも。
XBOXDOAUが発売された直後、海外の人と対戦したことがありますが*2、やはり遅延が原因かコマ落ちが結構ありました。もっとも、こちらもそれを前提に対戦すれば相手の技の出掛りに余裕を持って反応できる(向こうも同じですが)ので普段と違う緊張感がありましたね。そんなことを思い出したのでした。

「遅延」が主役ですがゲームとして触れても十分に興味深い企画だと思いました。以上。

*1:出所も誰相手のインタビューかも覚えてない(笑)。ドリキャス関連の話ですらなかったかも知れない

*2:「好き」だが「上手い」わけじゃないのでランクが上がらず現在放置中