後継者

TVゲームを売る仕事を始めたころから今までを振り返るとどうも、TVゲーム機市場ってのはおよそ3大勢力で構成されている状況が続いてきたように思う。
ファミコン以前はTVゲーム機市場というよりは玩具の一分野という認識だったろうし、ファミコン自身は対抗馬が殆どなかったから、スーパーファミコンの世代以降の、と言うことになるけれども。

スーパーファミコン メガドライブ PCエンジン    
NINTENDO64 セガサターン PC−FX プレイステーション  
ゲームキューブ ドリームキャスト   プレイステーション XBOX
Wii     プレイステーション XBOX360

厳密に各ハードの市場での登場時期・寿命を考えると多少入り組んでるところはあるけど、およそこんな感じか。
勢力バランスはそれぞれ世代ごとに変化してるね。当然。


そう言えば、PSの成熟期に至って、PCCエンジンの路線を受け継いだゲーム機ってのは実はPC−FXではなくてPSの方だったんじゃないだろうか、と思うことがあった。
半分は似非ギャルげーの氾濫がもたらした錯覚だと今は思う*1けれども。


で、たまたま‥‥と言うか、新作カレンダーにKIDの名前がまだ残っているのか確認しようと立ち読みした*2ファミ通(12/15発売号)に緊急対談と題してXBOX360で「ブルードラゴン」を送り出した坂口氏と、「ロストプラネット」の稲船氏の対談が掲載されていた。
まぁ内容の方は脇において、ちょっと面白いなぁと思ったのが「XBOX360はマイクロソフトがゲームを作りやすい環境を整えてくれてる」と言う発言があったこと。
過去のゲーム機の中で、ソフトメーカーから「ゲームが作りやすい」と評価されたハードが少なくとも二つある。
PCエンジンとゲームキューブがそれ*3


その二つのハードの結果と、XBOX360の現状を考えるあたり、もしかしたら「ゲームが作りやすいハードは市場では成功しない」と言う法則が成り立つのかもしれない。
いや、むしろ逆かな?不便なものが市場を制す。
高速だがグラフィック・サウンド能力で他に劣るPC-9801シリーズ。大きなカセットと画質でベータに劣るVHS。
ほかにも似たような事例があるかもしれない。


まッ、PCエンジンからの「ゲームが作りやすいハード」と言う評価をゲームキューブを経由して引き継いだXBOX360が、どのような結末を迎えるのか。
そしていつかやってくるであろう「次」の勢力争い*4でソフトメーカーから作りやすいと評されるのはどこのハードになるのか。その結果はどうなるか。
この新世代ゲーム機戦争、そんな風に見てみるのもありなんじゃないかと思う。


それにしても、XBOX360は1年かけて積み上げた数字が2週間とか初回出荷で抜かれたらしくて(ノД`)シクシク
でもそれほど悲観してないです。
PS3が実力を発揮できるのは時間としてあと1年はかかるだろうし、それでも開発費を考えたら参入メーカーの数は知れてる。「ハードの性能を存分に生かしたゲーム」の玉数はそれほど多くない、かも知れない。
Wiiは多分1年後に真価を問われる。新しいデバイスを生かしたゲームを1年後も安定してリリースできているか。ユーザーに飽きられてはいないか。
 ※DSへの反応を考えると油断できないとは思う。
それらに対して、XBOX360には1年先行したというアドバンテージがある。これをどう生かすかが、多分カギ。
初代で参入したときも、勝つまでやると言ったらしいので、今後の出方に注目。

*1:或いはFXが撃沈(自爆かもしれない)して行き所の無くなった企画がPSに流れたと考えることも出来るかもしれない

*2:前週発売号でWii発売のフィーバー振りが記事になっていた割には、倒産の記事は見つけられなかった。新作カレンダーは見てなかったことに後で気付いた

*3:XBOXもそんなことを言われてたらしいけど、勢力争いに加わることも出来なかったからなぁ

*4:ずいぶん気の早い話だと自分でも思う