年々短くなる1年

生物の神経の感度が対数で支配されてると言う話を最近聞いて、1年が毎年短くなっていくような気がするのは「感覚的には」正しいらしい、と聞いて何となく納得。


1年前の今日は、自分の足で歩く親父の姿を見た最後の日だった。


輸血と投薬の影響で体調を崩しては持ち直し*1、を繰り返してて、自分が会社から帰って晩飯を食ってる頃に、前の日体が重くて風呂に入ってないからと自分で階段を下りて風呂に向かった。
最近聞いた話では1〜2日剃ってなかっただけのはず、との事だったが、真っ白な髭が随分伸びてて、一瞬別人の様な気がしてしまった。その姿を見たときに、自分の中で「覚悟」が出来てしまった気がする。


まさかその翌朝に倒れるとは思ってもみなかったのだけど。
丸2日ほど意識の戻らぬまま逝ったのが26日の朝。アレからもう1年。


ファンでも何でも無かったけど、立川談志師匠の訃報。癌のことは知っていたが、倒れたのが先月末で3週間意識が戻らずに、との事。その間遺族は苦労しただろうが、(抱えた病の違いを差し引いても)父の場合は割とあっという間だったので実は想像もしようが無い、と言うところもある。
何せ半年前に白血病が見つかり、その時点で根本的な治療は不可能と言われ、盆まで入院したものの投薬治療は効果が出ず、と悪い方に転がっていって*2、それなりの心積もりはしていたけれども父は自分や母の思案の先を行って倒れ、容体は安定したが店をどうしようと言う時にこれもこっちの思惑を読むように逝ってしまったので、文字通りの「生死を彷徨う」入院は僅か2日。
実に家族思いなのであった。


こうやって書くと重い話に聞こえると思うんだけど、母の方は流石に葬式や先日済ませた一周忌に集まった同業者や親戚を前にして挨拶したときは泣いたものの、自分はまだ父の死のことで泣いた事が一度も無い。それどころか納棺の時から談笑できたりするんだから、有難い話。

*1:とは言え既に当時の父の状況としては良くなる訳ではなく、悪化を遅らせるだけ

*2:父はその前に多血症ってのを抱えてて、これから転じた白血病は投薬の効果が出にくいと主治医から説明を受けた。