変遷

「流れ」を言い換えるならこれかなぁ。

問題の?テキストに対する印象としては、どうしても「随分視野の狭い話をしているなぁ」と言うところから未だに抜け出せない。他に挙げるならかつての自分のようだ、とあえて言ってみることにしよう。


視野が狭いと思わせる原因はid:yms-zunさんが使った言葉を借りれば、一つの事象に対して「それが現れるに至る背景や過程を無視してはいけない」と思うのだけれど、どうもその辺の説明が欠落しているが故に「フェリオス」がまるで突然変異で現れたかのような印象を受けかねない*1所に起因する。
更に言うとその原因は、恐らくこの種のテキストを公開するに当たって真っ当な意見を述べるつもりならば行うべき作業を筆者が行っていないからではないかと思う。根拠は実に明快だ。彼は自分で述べている。「私の記憶する限りこれが最初だと思う」と。記憶に頼るな。記録ぐらい探せ。


シューティングにまで「美少女キャラクターに溢れた世界」が、などと言われても、つまりそれは今の流行として現時点でもっとも簡単且つ有効な客寄せ方法に過ぎない*2からだ、と思う。発生源と無縁の連中までが「萌え」を連呼するようになって、用途は拡大し、拡散しているけれども、それは「萌え」なる感情に人々が気付いたとかそんなモノではない。直感だけど、あと5年もすれば「萌え」は文化ではなくて過去のある時代を表現するキーワードの一つに過ぎなくなっているんじゃないかと思う。少なくとも今の性質を保つとは思えない。

秋葉原が未だに自らを「電気街」と称しながら*3、ある時代「パソコンの街」や「ヲタの街」であったなら、今は多分「『萌え』の街」なのかも知れない。
けれど、先日久々に歩いた秋葉原は、どうも「萌え」と言うところから離れつつあるように思えて仕方なかった。じゃあ何処へ向かうのかと言うとソレは分からないけれど、ふたたび「電気街」に戻るんじゃないだろうか、と感じた事は述べておこう。
この、時代によって姿を変える秋葉原と言う街を、全ての時代を通して使える言葉で表すならば、「商売の上手い街」なのだと思う。
要するに儲かる事をやる街だ、と。

メーカーにしたってやってる事は同じで、別に「メーカーによるユーザー開拓」の為等とは毛ほども思っていない、と思う*4。単にその方が儲かるから。今の時代は。
ゲーセンはそう言うのがあるとインカムが上がるから置くわけだ。これも「儲かるから」。儲かるモノは目立つところに。今ゲームセンターでナニが人気なのか、配置を見れば大体分かる。
創ったものを積み重ねて「文化」は出来ていくのかも知れないが、彼らが「文化」を作る意思があるかどうかはあまり関係がない。ソレで商売が出来なくなれば、新しい何かを考えるだけなのだ。美少女キャラを持ち込んでもシューティングでインカムが稼げない時は、美少女かシューティング、どちらかが消える。


美少女が消える可能性もあるけど、シューティングも一緒に消えたりしてな(笑)。


あと、「比較的新しくシューティングゲームに引っ越してきてくれた人達のなかに、二次元美少女オタ属性の強い人達が比較的多かったことは忘れてはならない」と言うけれど、アーケードのシューター人口と二次オタ人口のどちらが多いかを考えれば忘れるも何も当然の成り行きじゃないか。そもそもソレを引き込む為の美少女キャラなんだろ?


それにしても斜陽のジャンルによくもまぁ、何と言うか。


4年前*5の自分が書いた駄文*6に対する彼の感想を知りたいとか、つまんない事を思ったけれど、何にせよ首を傾げたくなる所の方が多いなぁ。
最後に、「ときめきメモリアル」の本質は「“女が男を選ぶ”という受動的な」ゲームではなく、「女が自分を選ぶように仕向けさせる」ゲームですよ、とか余計な一言を加えておこう。

*1:と言うか、「アーケードのシューティング」と言うカテゴリに於いて突然変異的に出現したゲームなんてものが果たしてありうるのか、と言う事すら怪しい。

*2:本当に有効なのかどうかは知らない。ただ、作る側がそう認識しているからこそ取り入れているという推測は現時点では十分成り立つ。

*3:夏の電気街祭りってもうすぐだっけ

*4:建前上は言うかもしれないけどさ

*5:自分で書いて驚いた

*6:アレはアレで当時かなり時間を割いて結局600タイトル近くを一つ一つ調べて書いた。アレに比べれば随分と簡単に結論付けてるなぁと思う