斜陽

コーエーが減収減益だったとか。違った。そっちの話じゃない。
id:kowagariさん経由。

 改めて何度も言う必要はないとは思うが、こうした今年のプレゼンを見る限り、MicrosoftXbox 360をもはや欧米、欧州向けを“大”前提としたマーケティング戦略に移行するように思える。

(中略)

 日本を直接攻めるのではなくて、日本以外の世界を征服して外堀りを埋めてしまえばいつか日本も世界の流れに追従するだろう……そんな考えが今のMicrosoftにはあるように思えてならない。

ピーター・ムーア氏インタビュー
日本での成功なくしてXbox 360の成功あり!?

もうね、何と言うか、ズバリ言った方が良いんじゃないかと思った。
日本のTVゲーム市場は眼中に無いとか、将来性を感じていない、って。


クタたんの発言はやはりあちこちで話題になっているようだけど(自分もその1人だ)、PS3とはTVゲームが出来るBDプレーヤーなのか、BDプレーヤとして使えるゲーム機なのか、氏の言う汎用コンピュータなのか。
どう捉えるかで優れた製品と言えるかどうかの基準というのは違ってくるはずなのだけれど、実際のところ、現在分かってる情報からPS3でなければできない事とはPS3向けのゲーム以外に無いわけで、そうなると買うつもりだった人たちのPS3とはゲーム機として捉えるほか無い。
そうなった時に、ソフト2〜3本一緒に買ったら多分10万円に達するなんてブツを買う連中が、今の日本にどれだけ居るんだろうか。
スーファミや初代PSを支えたユーザーは今や多くが社会人だ。今のご時世あの頃ほど可処分所得は多くないだろうし、可処分時間のうちゲームに当てられる時間も増えているとは思いにくい。むしろ減っているのではないかとさえ思う。

思うに、PS3を待っていた人たちのあの反応と言うのは「以前のようにカネも時間も無いってのに10万円は痛い」ってトコロに起因するんじゃないかと。


その一方で、クタたんはソニーの人である。カセットテープとかベータマックスとか、3.5インチフロッピーとかコンパクトディスクとかミニディスク*1とかメモリースティックとかブルーレイディスク*2の規格を作ったソニーの人である。
UMDがそれらと並んで扱われるかは定かではないが*3、兎に角BD規格を普及する任務を負わされたのがPS3である。ユーザーにしてみればメディアがDVDなのかBDなのかはあんまり関係ない*4んだけど、そう言う層からBDを押し売りして浸透させようって算段らしい。
日本経済に明るさが、とか言われたって、最近の話題作*5を見る限り、少なくとも今の日本のTVゲーム市場で、PS3が歓喜の声と共に受け入れられる可能性は低いんじゃないだろうか。熱狂的なファンが買うのはアタリマエだけど。ハードベンダーが今の市場の様子を知らないわけが無い。
海外事情は疎いんで断言は出来ないけど、日本よりマイナス要因が少ないなら、ソニーの期待も日本よりは欧米に向いているんじゃないだろうか。


上のインタビューもクタたんも、日本のTVゲーム市場を自らの発言ほどには重要視していないんじゃないだろうかと思ったってのが結論。

*1:ATRAC3を含む

*2:綴りは「Blu−ray Disc」である。Blueでは無いので注意

*3:恐らく有り得ない

*4:「DVD5枚組み!」とか言われたらそれはうんざりする人も居るだろうが、自分は2Dフロッピー12枚組みのパソコンゲームに手を出した経験がある。挫折したが(笑)それに比べれば少ない少ない。

*5:ゲーム業界の、では無く一般紙などが採り上げるような、と言う意味での話題作