上手下手

携帯ゲーム機で遊ぶのは基本的に仕事帰りなので、先日買ったグラディウス ポータブル - PSPもあんまりやり込んでいません。
で、先日このゲームに関して、
コナミは何故
移植があんなに
下手なんですか!

と喚いたのですが、今更ながらその理由。

グラディウスポータブル」は移植作です。歴代のグラディウスシリーズが収録されています。パワーアップの爽快感が斬新だった1作目、パワーアップのバリエーションを増やし、アーケードゲームにおけるシューティング黄金期の代表作と言えるであろう「II」、後の幾つかのジャンルでも発生する初心者お断り的な難易度で自らの首を絞めた感のある「III」、そのタイトルのごとく復活を果たすもアーケードの客層や人気ジャンルなど、変化した周りの状況に噛合わず、今ひとつ消化不良の感のあった「IV」、これまでのシリーズになかった要素を盛り込んだ、その名が相応しい「外伝」。自分の中での印象はこんな感じで、この5タイトルを一つにまとめています。
情報サイトで「グラディウスシリーズの5タイトルを収録!」の文字を見て、初代・II・III・IV・Vが1枚に収まるのかと思ったのはここだけの話(ォ

前回のこのタイトルの話をしたときにも書きましたが、個々のゲームに対する評価は「面白い」ことで間違いないとは思います。
実際自分もチマチマとプレイ中なワケで、その辺は否定しません。面白いという人がいるからこそ別のハードでも、という需要が起きるわけで、やっぱりそれぞれのゲームは面白い。


じゃあ何処が原因であんな反応をしたのか、と言うと結局、それらを一つにまとめて別のハードに移植するという作業の中でされたこと、されなかった事が気に入らないわけです。
最初に気付いたのはスクリーンサイズの設定。

グラディウス グラディウスII グラディウスIII グラディウスIV グラディウス外伝
スクリーンサイズ アーケード
ワイド
アーケード
ワイド
設定なし 設定なし 設定なし
スクリーンズーム ノーマル
ラージ
フル
ノーマル
ラージ
フル
ノーマル
ラージ
フル

ノーマル*1
フル
ノーマル

フル
難易度 6段階 4段階 6段階 8段階 7段階
残機数 1〜7 2・3・4・7 1〜9 3〜9 1・3・5・7

ついでに纏めた難易度・残機設定もバラバラ。エクステンド設定もバラバラなんだけど、これは敵機の配点とか出現パターンが絡む話だから割愛した。
こうやって眺めると残機設定は統一しても良かったんじゃないか、とか思ってしまう。。アーケードの設定に準拠って可能性も考えてるけど。

それでもスクリーンサイズの設定が統一されているのが初代とIIだけってのはどう言う理由からなんだろう。大体、わざわざ背景とフレームを用意してまで画面の真ん中に小さく表示させる*2位なら、画面を4:3のままPSPの画面の高さにあわせて表示*3させることで統一できると思うのですが。
ノーマル設定が、オリジナルのピクセルサイズに合わせた結果、と言うのも考えました。日本のTVだとブラウン管の走査線は525本で、VGAサイズがそのまま収まります。ゲーム機の画面サイズの場合、実際にはそれほどの解像度はなくて、縦で230とか256ピクセルくらいのサイズになっている事も当時は珍しくなかった、はず*4。で、これらのタイトルがすべて同じ解像度だったのかという疑問が出てくるのですが、収録作の中で「IV」だけがノーマルで画面の高さに合わせたサイズで表示されているので、やはりノーマルは本当にピクセルサイズをそのまま再現したのかな、とも思うのです。
とは言え。
どうにもこの『ノーマル』という設定が、やけにこじんまりした印象を受けてしまう。最初から画面の高さいっぱいに合わせるラージが基本でも良いんじゃないだろうか、と思うのです。これが最初の疑問。

ついでに言うと、アーケード/ワイドの切り替えも、4:3の画面を16:9にまで広げるわけじゃないのでゲーム全体に変化が出るという感じがせず、個人的な印象としてですが有意義なものとして機能していないように思えます。


それから、画面サイズの話とも繋がってるんですが、移植という作業の中での「手抜き」じゃないかと思いたくなったのが「自機の放つ弾が見難い」事。とくに画面を拡大すると顕著。バッテリーをケチるつもりでバックライトの照度落とすと最悪*5。空中戦のときも背景の星*6もスクロールで流されて真っ黒な空間が。やられたりポーズをかけると輝きだす。
スターソルジャー - PSPの時はASV液晶ならシューティングも何とかなる、と思っていたのですがアレの時とは弾が大きかったから大丈夫だったんだ、と認識を改めました。
自分の撃った弾が何処を飛んでるのか分からないのはシューティングとしては致命的です。ズーム機能をつけるくらいなら、引き伸ばすんじゃなくてそのサイズ用のグラフィックデータを用意して欲しいと思ってしまうのは我侭でしょうか。


まだある(笑)
オプションコントロールが出来た「V」以外のグラディウスは全て3ボタン構成。ショット、ミサイル、パワーアップ。で、キーコンフィグなんて当たり前に付いている訳ですが。


全タイトル共通の設定に出来ても良かったんじゃないですか?コナミさん


頻繁に切り替える物でもないだろうし、タイトルごとに設定が違っていたらむしろ遊びにくい。タイトル毎に変えたいという奇特な方も居るでしょうが、共通の設定にすることが出来ないとは思えません。


当たり判定を小さくしたりウエイトを入れられたり、ポーズのついでにセーブ&ロードが出来たり、音楽モードにX68K版の音源が入っていたりとか、こう言うゲームを買いたいと思う人にはウケの良さそうな要素を入れる一方で、プレイヤーに対して不親切だろうと思う要素も目立つ。そのチグハグな姿に、コナミを「移植が下手なメーカー」と呼びたくなるのです。


買う気も起きていないけれどPSP版のときめきメモリアル - PSPもPS版の移植と聞いてやはり移植が下手だとの認識を強くしました。
残念だったなぁ。PCエンジン版とかセガサターン版だったら大慌てで予約するところだったのに。スーファミ版とかゲームボーイ版でもやっぱり買わなかったと思うけど。

*1:他のラージと同じ

*2:これがノーマル。なぜかIVには用意されていない

*3:これがラージ。何故か外伝には用意されていない

*4:そう言えばPSPS版のプリンセスクラウンもこのノーマル設定と同じ表示方法をとっている事を今思い出した。

*5:実は見難いという印象を持った原因の何割かはこれ(笑)

*6:煌めくドットたちと言う方が正確